【主旨・目的】

この連続企画は、新しい農薬「ネオ二コチノイド」をテーマに、たくさんの皆さんに参加いただきながら、市民意見の形成を試みたものです。主催は、認定NPO法人まちぽっと一般社団法人act beyond trust国際環境NGO A SEED JAPANの3団体共催で、期間は2012年3月から8月までの6か月間でした。

【背景】

今の日本社会では震災復興と原子力発電所事故という、大きな問題に関心が集中しています。このことは当然ですが、しかし10年、20年後の社会を考えると、それだけではない諸問題を丁寧にすくい上げていく作業も必要だと考えられます。

この企画では、狙い定めた昆虫に対する神経毒として作用し、人体や環境への影響が少ないというふれこみで、日本でもこの10年で使用量が3倍に急増しているネオニコチノイド系の新農薬の問題を取り上げます。長年、弊害が指摘された有機リン系農薬に替わって登場したものの、ミツバチの大量死をはじめ生物多様性と人間への悪影響が報告され、皮肉にも健康志向の減農薬農産物や緑茶の愛用がリスクになっている等の問題提起は、まだ一般にほとんど知られていません。

 
 
  
 
 

その中で一昨年、人気マンガ『美味しんぼ105 巻』で扱われたことは記憶に新しいことでした。

一方で、特に果物やお米の生産者には、ある程度の農薬の使用をしなければ生活ができないという現実があります。心ある農家や流通業の皆さんが減農薬の努力を進めていますが、日本の農業を守るという点から見ても、まったくの不使用という選択には無理があるという声も、現場の意見として重く考えなければなりません。
ネオニコチノイドの問題点の一つは、新しい農薬であるために、その影響の程度がまだ明確ではないということです。しかし、問題を先延ばしにすることで、明確になったときには遅すぎたということは、原子力発電所の事故の例を見ても、私たち市民の責任として避けなければなりません。

この連続企画では、ネオニコチノイドの問題について多くの人に知ってもらうこととともに、私たち普通の市民はどのように考えていくべきなのか、そして未来に向けてどのような対応をすべきなのか、「アドボカシーカフェ※」で多面的な視点から考え議論をしていきました。
この企画を単なる勉強会にするのではなく、社会的な広がりを持ったものにすることで、自分たちの未来を自分たちで選択していく、これからの一つの行動指針をつくり上げたいと思い、始めました。

*アドボカシーカフェ

認定NPOまちぽっとのプロジェクトである「ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)」が始めた、政策提言などについての市民意見を形成することを目的としたカフェ。今回はこの形式を使ってネオ二コチノイドに対する一つの市民意見の形成を行い、社会提案につなげていくことを目的としています。

【全4回と追加企画の概要】

・第1回「ミツバチからのメッセージ」 

日 時:3月17日(土) 13:30 ~17:30
登壇者:養蜂家の現場、生産と流通の現場から
藤原誠太氏 (養蜂家、ネオニコチノイド系農薬の使用中止を求めるNGOネットワーク代表)
後藤和明氏 (らでぃっしゅぼーや株式会社・Radixの会)
ファシリテータ:青木将幸氏 
 
<詳細とご報告はこちら>

 
・第2回「子どもを守るための予防原則」 

日 時:4月28日(土) 14:00 ~18:00
登壇者:予防原則という視点とは? 化学物質が人体に与える影響は? 
大竹千代子氏(化学物質と予防原則の会代表)
黒田洋一郎氏(元東京都神経科学総合研究所)
ファシリテータ:青木将幸氏 
 
<詳細とご報告はこちら>

 
・第3回「ネオニコ問題をナナメに切る」 

日 時:5月12日(土)14:00 ~18:00
登壇者:自分ごととして捉えるところから マイ・プロジェクトという考え方とその実例
鈴木菜央氏(greenz.jp発行人)
高安和夫氏(銀座ミツバチプロジェクト理事長)
ファシリテータ:青木将幸氏 

<詳細とご報告はこちら>

 
・第4回 フォーラム「ねねね、ネオニコチノイドってなあに?」~「美味しんぼ」105 巻を読んで、みんなで語ろう!~

日 時:6 月9 日(土) 13:30 ~17:30
登壇者:ネオニコチノイド問題を総合的に
雁屋哲氏 (『美味しんぼ』原作者)
田中優氏 (環境問題活動家)
土井彩氏、野下晃子氏、レイ彩氏 (子育てママ)
ファシリテータ:青木将幸氏
  
<詳細とご報告はこちら>

 
・追加企画 ワークショップ「マイ・プロジェクトをカタチにしよう」

日 時:8月18日(土)13:00~17:00
ファシリテータ:
鈴木菜央氏 (greenz.jp発行人)
 
<詳細とご報告はこちら>

 

■ 企画にあたって:

● 目的
 「ネオ二コチノイド」という社会一般には広く知られていない問題を、専門家ではなく普通の市民に広げることを目的に行いました。また、結果として最終回後には何らかの「市民意見」の形成が行われることを目指しました。

● 企画の前提と手法
 企画は、ネオ二コチノイドに対して「反対ありき」を前提とするのではなく、現状と事実を知った上で、参加者が自分自身の意見を持てるように進行することとしました。そのため、アドボカシーカフェという手法を導入し、来場の一般参加者が登壇者の発表を聞いたうえで議論を深め、それを共有する場を重視しました。

● 登壇者の人選と進行方法
 広く一般に広げる仕掛けとして、ネオ二コチノイドを大きく取り上げた人気マンガ『美味しんぼ105 巻』を下敷きに、そこに登場する専門家を毎回お呼びし、最終回に原作者をお迎えしました。また、それらの専門家に加えて「もう一つの視点」を持つゲストを各回でお迎えし、重層的な意見交換ができるような形式で進行しました。

 普通の市民の感覚を基本とするため、ネオ二コチノイドについて大きな関心を持っていない「子育てママ」代表として、3名のママさん達に参加を依頼しました。この3名の参加者には(アドボカシーカフェとして当初計画されていた)全3回すべての企画に参加していただき、運営側が一切の意見誘導をしない状態で理解を深めてもらいました。そして締めくくりの第3回では、普通の市民代表としてこの問題をどう捉え、どう考えたか発表をしていただきました。
(ママ達の活動については メニュー>ママの意見 を ご覧ください。)

 企画全体の連続性と議論の質を保つことを目的に、青木将幸氏に第1回~第3回のファシリテーターを、また第2回に登壇した鈴木菜央氏にフォローアップ・ワークショップのファシリテーターを依頼しました。

■ 主催:

「ねねね、ネオニコチノイドってなあに?」連続企画
認定NPO 法人まちぽっと http://machi-pot.org
一般社団法人act beyond trust http://http://www.actbeyondtrust.org/
国際環境NGO A SEED JAPAN http://www.aseed.org/

■ お問合せ

一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト
http://www.actbeyondtrust.org
Email: Info@actbeyondtrust.org
Tel: 03-6665-0816 Fax: 03-6869-2411
Tokyo: 〒113-0034 文京区湯島2-9-10-2F