第3回 アドボカシーカフェ 5/12(土)「ネオニコ問題をナナメに切る」(報告)

当日はお忙しい中、おいでいただき、応援いただき、ありがとうございました。
おかげさまで今回もたいへん実りある会となりました。
謹んでお礼もうしあげます。

 
 
 

◆ ゲスト
高安和夫氏(銀座ミツバチプロジェクト理事長)

1965 年千葉県の養豚農家の長男として生まれる。大学卒業後、住宅会社勤務を経て、1999 年農業生産法人 ㈲アグリクリエイトへ入社。2003 年取締役東京支社長就任。現在に至る。2006 年より都市と自然環境の共生を目指し銀座の屋上で養蜂をスタート。ミツバチを通じて都市と農村を結ぶ活動を積極的に行っている。また、全国の森、里、街そして海をつなぐサスティナブルネットワークフェスタ、「ファーム・エイド銀座」を毎年開催している。

鈴木菜央氏(greenz.jp 発行人)

1976 年バンコク生まれ東京育ち。2002 年より3 年間「月刊ソトコト」にて編集。独立後2006 年「あなたの暮らしと世界を変えるグッドアイデア」をテーマにしたWebマガジン「greenz.jp」創刊。2007 年よりグッドアイデアな人々が集まるイベント「green drinks Tokyo」を主催。メディアとコミュニティを通して持続可能でわくわくする社会に変えていくことが目標。

◆ ゲストのお話
・鈴木菜央さんから

鈴木さんからは、社会的な課題の解決と同時に新たな価値を創出する仕組みを、個人個人が創っていく「マイ・プロジェクト」が必要だという視点から、事例とその考え方を紹介いただいた。

『まず「マイ・プロジェクト」のいくつかの事例の紹介をいたします。

あるフランスのデザイナーが、ネットでマフラーを注文できるサイトを作りました。どんなマフラーが作れるかカスタマイズできて、それを編んでもらうお祖母ちゃんも選ぶことが出来る。サイトには、ローリングストーンズが好きだとか、猫を飼ってるだとか、お祖母ちゃん達のプロフィールがあり、購入者はそれを読んで一人を選びます。そして、直接お祖母ちゃんからセーターが送られます。もちろん、これはお祖母ちゃんのお小遣い稼ぎになりますし、それと同時にボケ防止にもなりました。そして、そのお祖母ちゃんを気に入ると文通することも出来る。もっと仲良くなると、家に遊びにいくかもしれない。このように血縁、地縁を超えた新しいコミュニティ作り、田舎と都市を繋げる活動にもなっています。
 
フォルクスワーゲンのスウェーデン支部では、新車発売キャンペーンを行うことにしました。この時に、楽しいという気持ちには人間の行動を変えるパワーがあるのではないかという仮説を実証するためのアイデアを募集しました。2500件ものアイデアが集まった中から採用されたのは、スピード違反した人からは罰金をもらい、制限スピードを守った人には罰金を元手にこれから当選発表をする宝くじを送るというものでした。
 
 ニューヨークでは、ユニセフによって世界に10億人以上の人が安全な水にアクセスできないという現実を実感してもらおうというキャンペーンが行われました。それは、8種類の汚水が買える自動販売機の設置でした。汚水のボトルにはデング熱、腸チフス、マラリアなどと書いてあります。そして、「あなたはこの水を買うか買わないか選べますが、途上国の人は喉が渇いて目の前の水たまりの水を飲まざるをえない人がいます」というメッセージも書かれていました。このキャンペーンは成功してメディアの取材が殺到しました。
 
 日本でも、クリスマスにケーキ屋さんで、ホールケーキからワンピースだけ欠けたケーキを販売するという企画が行われました。そして、欠けたワンピースは寄付という形をとっていました。この企画も成功しています。
 
 これらのように、ネオニコチノイド問題がみんなの「自分ごと」となるために必要なことは、社会的な課題の解決と同時に新たな価値を創出する画期的なしくみをつくる視点を持つことだと思います。それは自分ごとから始まる、お金もネットワークも「無い無い尽くし」の社会変革運動です。小さなマイ・プロジェクトを日々生み出し、お互いに応援して、マイ・プロジェクトの生態系を作っていくことが、市民一人一人のできる、これからの社会変革だと考えています。
 
問題を「解決しなければいけない対象」として捉えるのではなく、「素敵な活動を展開する場」と考える。ネオニコチノイド問題と向き合うと、「アンチ」という立場になりがちです。しかし、自分ごとから出発して、生活の中に素敵な活動を組み込んでいくことで世の中に伝わります。このことが、私たち自身で問題を解決する一つの形だと思います。』

・高安和夫さんから

 高安さんからは、「マイ・プロジェクト」の一つとして、銀座ミツバチプロジェクトの活動についてお話をしていただきました。

『銀座ミツバチプロジェクトは、銀座の屋上で野菜を育てられないか?というところからスタートしました。しかし、なかなか野菜を育てるのは難しかったところに藤原養蜂場の藤原さんと出会い、ミツバチを育てようということになりました。
 
初めはNPO活動ではなく、大人の遊びでやろうと、気心しれた人たちを集めました。ミツバチの購入や柵の制作に60万円程度しましたが、ミツバチを飼うビルのオーナーと私とで半額ずつ出し合いました。そして事務所と事務局は私が受け持ちました。「銀座でミツバチを飼ったら面白くない?そこでハチミツが取れたら、バーに持っていってカクテルにならないか?」と銀座食学塾と銀座の街研究会を中心にメンバーを募ったところ、約15人集まりました。メディア関係者に友人もいたことから、「銀座にミツバチが引っ越してきました」と初日からテレビの取材が入りました。

 銀座は消費の中心地で環境とは無縁と思われていましたが、巣箱を置いてミツバチを飼うと、美味しいハチミツが取れました。それは、皇居・公園・街路樹等を人が守ってきたからです。田舎の環境は良さそうなイメージがありますが、ホタルは減っている、トンボもカエルもいない、化学物質過敏症患者も増えています。自然があったとしても、人が守っていかなければ良い環境にはならないと感じました。
 
 それから1年ほど過ぎると、銀座は環境に優しい町になっていきました。4つの会社が初年度からスイーツ作りで協力してくれたこともありました。ミツバチが飛び、ハチミツが取れ、それがお菓子になって、お客さんも沢山きて、町も元気になる。銀座と町の環境がリンクしたんです。
 
 その後、銀座でミツバチを飼うだけでは社会性が小さいと感じ、地方の皆さんと連携して地方の農業を応援する「ファームエイド銀座」という屋上農園を始めました。農薬反対とは言わずに、あなたの『おいしい!』が日本の地域と食を元気にします!というコンセプトをもとに「人と自然の共生」について、銀座からメッセージを発信しています。岡山県の新庄村で防虫剤を使ってお米を作っていた農家さんに、お米を買うから防虫剤の使用をやめてほしいと頼みました。そのお話を銀座松屋さんにしたところ、銀座の老舗のおせんべい屋さんを紹介いただき、そちらで使っていただきました。活動に共感してもらえれば、松屋さんにも応援してもらえるんです。
 
 農薬の問題を語ると、JAに言って農薬の使用を控えてもらおう、農家の方に不使用をお願いしよう、自治体に訴えようと思うかもしれませんが、それは厳しい。JAは農薬を売る事で儲けている、カメムシ対策の農薬散布は市町村で農業振興の予算を組んでやっている、そしてネオニコチノイドは大手の化学メーカーが作っていて、JAは多くの政治家の票田にもなっています。
 
そういうところに訴えても社会は変わりません。「やっぱりネオニコチノイドを使ったお米は良くないよね」と消費者がスーパーなど直接お米を買っているところに訴える。お店は消費者の声を聞きますから、消費者の行動によって仕組みは変えられると思っています。』

■ 映像アーカイブ
映像を以下にアップしておりますので
ご覧ください。


鈴木菜央さんのプレゼン(抜粋)


高安和夫さんのプレゼン(抜粋)

■ テキスト実況中継
星川淳さんによるツイッターでの中継、
『ねねね、ネオニコチノイドってなあに?第3回 5/12(土)「ネオニコ問題をナナメに切る」アドボカシーカフェ まとめ』をお読みいただけます。
http://togetter.com/li/303159

■ ママたちも参加しました。

 
詳細はこちらをご覧ください。

 
■ アンケート

感想

「ネオニコチノイド」について知りたくて参加しましたが、参加者同士のミニトークの中でも様々な捉え方があることを知り、有意義でした。

大変参考になりました。

楽しく一人一人が「自分ごと」として活動できるどのような社会が出来るというのを知る事ができて良かったです。
有機的につながっている→生態学的という表現まさにこれだ!と思いました。

とても良かった。社会への情報発信の仕方+実際に一つのプロジェクトを成功された方の組み合わせが良いと思いました。東京はコンクリートジャングルで、自然など、どこにあるのか?と思えるほど、自然から切り離されているという気がしていましたが、東京が里山になったら、なんて良いことなのでしょう!と思いました。

ゲストお二人のお話とてもすばらしかった。
鈴木さんのお話→カタイ頭と心が柔かくなった。
高安さんのお話→戦略家だと思いました。
対話も楽しかったですね。初めての人と話すってむずかしいものですねー。

誰もが始められる活動が、とても希望のある未来を作るきっかけになる。もっと肩の力を抜いて、発信することから始めたいと思いました。

・マイプロジェクトという投げかけが素晴らしかったですね。
・鈴木菜央さんの社会的メディアの共有プラットフォームのコンセプトに徹する方針は納得できました。重要なSocial Justis のインフラの1つですね。
・高安さんの銀座プロジェクトは銀座を充分に耕す(社会的な耕作者!)ことから、しかも個人とそのネットワークから始まる展開が良いです。

ミツバチがいなくなるという話はだいぶ前に聞いただけで、今回初めて原因について知る事が出来て今後意識が変わりました!
ファシリテーターの方が良かったです。4時間は長いと思ったのですが、グループで話したり上手くファシリテートされたので有意義でした。

参加者間、参加者と講演者の間で活発に意見が交わされ、色々な意見に何度もハッとさせられました。ネオニコ問題に限らず、社会問題一般に対する考え方を学べたと思います。
ただ、マイプロジェクトのアイディアが出たのをもっと広げられたらさらに面白かったと思います。

こういうどうにかしなきゃ、といったフォーラムでは今回の様な情報発信方法の回は珍しいと思います。楽しかったし、勉強になりました。

第1回・2回と沢山情報を頂き詰め込みすぎたせいか2回目当日は眠れませんでしたが、今回どうネオニコを切り口にのせていくかの突破口が見えて来た気がします。マイプロいいですね!

「ななめ」でアプローチすると、なんだか身近な楽しそうな事のように感じる事ができた。
マイプロはいいですね。

 

今後に向けた意見

同じ新宿にいる者として、今後も出来るだけ参加させてもらいたいと思います。

今後もこのような活動を続けてください。

私もミツバチを飼ってみたい!!

ネオニコチノイドの問題は、産業界、官僚機構、政治、JA、メディア、外圧等色々な問題が背景にあると思います。
このネオニコの問題から問題の本質=悪徳ペンタゴン(米・政・官・業・電)が見えてくるようなセミナーをやっていただくこと希望します。

もっとお話を聞きたいと思う参加者も多数いらしたので、お隣さんと話す時間をいただけてよかったです。ここからまた色々な活動が波及していくんだろうと想像しています。応援しています。

菜央さんの生態的活動の方法論のコアなコンセプトをクリアにしていくファシリテートの力をいかして深めていくことが出来ると良いです。

「カフェ」というくらいなので、パブリックスペースを借りて、たまたま来た人も参加できるような場でできるといいなと思います。
レベルの高い内容と運営主体だと感じたので、都会の知識の高い人は興味を示すと思うのでスタバとかポピュラーなところでやってみてはどうでしょうか?

次回も楽しみになりました。

マイプロジェクトをサポートする何かをしてください。
例えば、今回できたマイプロジェクトを今回の参加者へ情報提供してもらうなど。

参加者同士の話の時間は大切だなーと思った。
⇒話がそれたりする時もあるので、うーんどうしたものか・・・。


■ 開催情報 ■


アドボカシーカフェ
ねねね、ネオニコチノイドってなあに?
-新農薬ネオニコチノイドについて“未来に向けたみんなの意見”づくり大公開-


第3回のお知らせです。

ネオニコチノイド系“農薬”というと農家や地方の問題であって、都会に住む人は関係ないと思われる方もいらっしゃいます。しかし、都会の人が虫食い野菜や果物は嫌だというと、生産者も農薬を使わざるを得ません。農家の方が体を害してしまえば、もちろん消費者である都会の人もその影響を受けます。

ネオニコチノイド問題を農家や地方だけの問題と捉えるのではなく、都会・地方との別なく市民の問題として捉えなければならないのではないでしょうか。
とは言っても、考えた事もないこと、身近ではないことについて考えるのは難しいことです。

そこで、第3回では地方の農村と都会を結ぶ、都会に住みながら環境について考えるといった新しい視点からビジネスを行っている方々をお迎えします。その方々のお話を聞き、農薬という“遠い”問題として捉えるのではなく、私たちの生活に身近な問題として捉えることで、ネオニコチノイド問題の解決の糸口をみつけたいと思います。

第3回 テーマ 「ネオニコ問題をナナメに切る」 (事前申込制 定員30 人)

日時:5月12日(土) 14:00 ~18:00
場所:新宿区歌舞伎町2-19-13 ASK ビル4F 会議室
資料代:500 円

ネオニコチノイドのような環境化学物質に頼らない農業と暮らしの姿を、政治とも市民運動とも違うソーシャルビジネスの切り口から考えます。生産者の生活と消費者をつなぎ、より良い選択を社会の中で行っていくために流通や事業が果たす役割について学ぶ中から、私たちのできる行動について話し合いたいと思います。

主催:認定NPO 法人まちぽっと,一般社団法人actbeyondtrust,国際環境NGO A SEED JAPAN

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