第1回 アドボカシーカフェ 3.17 ミツバチからのメッセージ (報告)

ご報告:

◆ ゲスト:
後藤和明氏(らでぃっしゅぼーや株式会社・Radix の会)

らでっしゅぼーや株式会社農産部長として、安全で環境にやさしい商品を選ぶという持続可能なライフスタイルを提案し続けている。その一方、らでぃっしゅぼーや株式会社と取引を通じてつながる生産者・メーカー有志によって組織される非営利の任意団体Radix の会常任理事として環境保全型生産の普及に務める。

藤原誠太氏(養蜂家・ネオニコチノイド系農薬の使用中止を求めるNGOネットワーク代表)

創業明治34 年の藤原養蜂場の3代目で日本在来種みつばちの会会長。
人体にも環境にもほとんど無害ということで許可され、使用拡大が進むネオニコチノイド系農薬の使用を止めることは重大な責務と考え、ネオニコチノイド系農薬の使用中止を求めるNGOネットワークの代表を務める。

ファシリテータ:
青木将幸氏

◆ゲストのお話

・藤原誠太さんから

 藤原さんからは、養蜂家の立場から現場の状況を伺うと同時に、より広い視点でもネオニコチノイド被害の現状をお話しいただきました。

『かつて広く使われていた有機リン系農薬の被害の実態が明らかになり、ここ10年の間でネオニコチノイド系農薬は害のない農薬として登場し、広まってきました。しかし毒性の強い有機リン系農薬は浸透性が低く一過性であることに対して、ネオニコチノイド系農薬は浸透性が高いため洗っても落ちにくい上、毒性が継続する場合もあることがわかってきました。
 
日本ではヨーロッパと比べると、作物によっては1,000倍のネオニコチノイド系農薬の使用が認められています。アメリカと比べても、日本は10倍ほどとなっています。
全世界の80%のアーモンドは、カリフォルニアで作られます。そのために、全米からトラックでハチが運ばれてきます。しかし、そのハチがいなくなっています。運んでくるストレスが理由だとか、病原菌が発生したのではないかと言われていますが、養蜂家はネオニコチノイドのせいではないかと言っていました。
 
アメリカで農薬を世に出す際には、日本の環境省にあたるEPA(アメリカ合衆国環境保護庁/United States Environmental Protection Agency )によって管理されます。EPAで、2つ程の重要な実験が省かれていたために、ネオニコチノイドの被害が認められないということが暴露されました。その結果、アメリカの農務省のトップが、病気が原因でハチはいなくなっているけれども、その病気を引き起こしているのはネオニコチノイドの可能性が高いと発表。その後、バイエルという大きな化学メーカーが、カリフォルニアのアーモンド畑から撤退しました。
ヨーロッパでは、トウモロコシの害虫対策のために種にネオニコチノイド系農薬をまき、その種から成長した植物が成長しても虫を殺す例も問題とされています。
 
このように、ミツバチが巣に戻ってこないという養蜂家の立場からの害だけではなく、もっと広くこの問題を考えることが必要だと思っています。』

・後藤和明さんから

 有機・低農薬野菜や無添加食材の宅配サービスを行う「らでぃっしゅぼーや株式会社」の農産部の責任者である後藤さんからは、生産者と消費者の立場を両立させるため、どのようにネオ二コチノイド問題に対処しているのか、その現状を発表していただきました。
 
『基本的に「らでぃっしゅぼーや」は農薬に反対の立場です。それは消費者の皆さんのこともありますが、生産者の体のことも考えなくてはいけないと思うからです。そのため生産者の方々と話し合って、100種類以上の禁止農薬を定めています。
 しかし、あまり規制を厳しくすると多くの生産者は農作物を作れなくなってしまいます。ネオ二コチノイドについても、できるだけ減らす方向ですが、情報公開をしながら順を追った現実的な削減対応をしています。

 また農薬を使わずに生産すると、どうしても虫に食われてしまい、それは消費者の皆さんから嫌がられます。以前、消費者アンケートで農産物の虫食いはどこまで許せるかを聞いたところ、1/8の虫食いでも消費者は嫌がるという結果が出ました。
 
お米に関しては、等級制度があることもネオ二コチノイドを使用する大きな理由です。カメムシの害に合うとお米に黒いものが出来て、それが1000粒に2粒以上あると2等米になってしまい、販売価格が大きく下がります。これを斑点米と言いますが、これを恐れて農家の方は農薬を撒いています。
また、農家の方は経営や後継者育成で手一杯であるために、ネオニコチノイドの問題について知らない方も多いようです。
 
今後、生産者の努力と消費者の理解の接点を探しながら、しかし消費者以上にむしろ農家の皆さんの体に悪い影響を与える農薬は、可能なかぎり減らす努力が必要だと考えています。』

◆映像アーカイブ:

当日の映像アーカイブです。
お二人のゲストのお話はもちろん、グループワークも大いに盛り上がりました。
ぜひご覧ください。


藤原誠太さんのプレゼン(抜粋)


後藤和明さんのプレゼン(抜粋)

 
■ ママたちも参加しました。

 
詳細はこちらをご覧ください。

■ アンケート結果

● 感想

自身の健康はもちろん、みつばち、鳥、生態系を無視した農薬は本当に恐ろしく感じました。ありがとうございました。

皆さんの様々な考えを聞くことができて有意義でした。ネオニコチノイド農薬、殺虫剤の危険性が昨年今年と各地、各種の研究者が発表されているにもかかわらず、まだ科学的ではないという方たちがいることを認識し、情報が伝わっていないことを痛感ました。

参加する前は、全くネオニコチノイドについて知らなかったのが、最後のグループディスカッションでは、どうやって認知度を高めるか話し合っている。会の流れがとてもキレイで、勉強になりました。(もちろんネオニコチノイドについても勉強になりました!!)他の方々と話していて、本当にとても違うバックグラウンドの方もいれば、近い方もいて、意見を合わせるのは難しいですけど、そういう人たちと話せたのは良い経験になりました。

・単なる糾弾の場ではなく、農薬を使わざるを得ない農家の立場の話も聞くことができて良かった。・どのようにしてこの問題を広めることができるか・・・。・養蜂家が声を上げにくい現状が分かったのも良かった。

ネオニコの問題って、ほとんど知りませんでしたが食の問題、消費、生態系、グローバリズム・・・などが絡み合っているんだと思った。ご近所どうし、ちょこっと話し合うというスタイルが新鮮で面白かった。これから、政策提言までどうやって進展していくのか楽しみです。

色々な立場やバックグラウンドを持つ人たちと話ができて有意義でした。意外に私が説明できることもあるのだなと気づきました。

知識の少ない分野であり、生活に関わる分野であり、興味のある分野でもあり...自分の立場はとても不明確な中で参加してみました。新しい情報を得られて、良い勉強になりました。今回の進め方はワークショップ?カフェHbc?考える場としてとても良かったように思っております。楽しく参加することが出来ました。次回も出席したいとおもっております。 青木さんのファシリテーションもすばらしい!

考えるきっかけを与えてくれた。とても有意義な時間でした。直接に養蜂家の方、生産・流通の方の話をうかがうことができ、消費者としてのあり方を問われていると思いました。話し合う場の大切さを思いました。多くの人に知って欲しいです。

普段、考えようと思っても「何故?」と思ったことについて情報を集めたり上手く出来ず・・・。こうやって対面で話すと「なんで?」にも答えてくれる方がいたり、どんどん皆のアイディアがでたり、で話が進ので会って話す事の大事さを改めて感じました。まず、知った!・消費者が知らない事がやっぱり多いので、知る機会が広く欲しいです。最後、各グループで話した話がどうだったかを是非聞きたかったです。FBとかでもいいから知りたい。農家さんの生の声聞けてよかった。

ファシリテーターが見事で、プレゼンターが抜群だったのでとても興味あり、得るものが多いカフェとなりました。

まだまだ、知られていないネオニコチノイド問題について論者としても参加、発言が出来て非常に有意義でした。 まず、話し合わなければ先に進まないのであるから、解決はともかく周知でき始めた!という思いです。(皆様の熱気を感じた)

面白かったです。ネオニコチノイドについては海外の問題として知っていましたが、国内でも同様の問題としてあることを知る良い機会になりました。基本的に意識の高い方が参加されているかと思いますが、激論がかわされて、多くの事を考えられる良い機会になりました。

レクチャーを聞くだけでなく、対話が出来てよい構成だと思いました。継続的に参加して、話を深めていければ良いですね。異なる視点(利益の重ならない)お二方のspeakerという人選もよかったと思います。最後のグループでみなさんがどんな話がされたのか、共有できると良かったかも(world cafe形式とか)と思います。

とても充実していました。ネオニコチノイドという1つのテーマから環境はもちろん、農協や国の政策、子どもの教育にいたるまで沢山の方と沢山のお話ができて楽しかったです。

全4回のセミナーということで、最終的な成果を期待します。良い情報交換が出来たと思います。

この問題について「伝えたい」人、「知りたい」人のエネルギーの高さを感じました。自分事として考えるには、まず近づいてみる事かと思います。

多様な関心と職種の方達が集まり、話をする中で可能性のきっかけをつかめるかもしれないとそのことに期待がもてました。 ネオニコの使用は案外深いところ、つまり生き方そのものを考える事でもあることにまで行き着き、大変面白かったです。

とても手厚い企画ですね。ややこしいネオニコチノイドの問題をじっくり考える機会にでき、感謝です。青木さんの進行がGood!でした。

ネオニコチノイドの問題を少しでも身近なものにする役にたったと思います。会の進行も自然で意見交換しやすかったです。

● 今後に向けたご意見

ネオニコチノイドのもう一つの大量に使用されている職種、花屋さんの話がないことは残念です。今朝出掛ける直前に死亡通知が隣組でまわりました。その人は花○○屋さんでした!

できるだけ、正確な情報をもとに議論を進めるべきだ。そうでないと最後には生産者や消費者や特に行政を動かすことはできない。

今日(3/17)の会では、ゲストの方がお二人とも反ネオニコチノイドより?でしたので、「ネオニコチノイド使わなきゃ生計がたたないんだよ!」的な親ネオニコチノイドの方の意見も聞きたかったです。

引き続きいろんな視点のある人たちが集まって話を聞いたり、意見交換が出来ると良いと思います。これを機会に何か一つでも問題解決への足がかりが作られるといいなと思います。

今まで、禁止されてきた農薬がどのように禁止されてきたのか検証しネオニコチノイド禁止に向けて参考にしたらよいと思いました。

アクションに発展することを期待!

生物多様性認証作物など(ミツバチ健康米とか)進めていきたい。本物の農産物は健康であるべき。日本人の潔癖性を少し正すべき。ラディッシュさん頑張って!

サブチームを即席で作りディスカッションしてゆく、良かったです。できればこのチームでも議論を重ねてゆくいのは面白いのではないでしょうか。

「環境負荷」と「食品の安全」という視点って意外と目指すものが重ならないのかも・・・と思いました。本来ならば一体化するはずのこの2つの問題をうまく繋げて行く想像力を、どうしたら消費者から引き出せるように訴えられるかなあ...などと思いました。

生産者と消費者の関係や農業に関わる方にどう上手く伝えていけるかがこれからの課題になると思います。

より多くの“知らなかった人”に参加して欲しいと思いました。

最後のテーマ別報告を共有したいと思います。

論点整理の蓄積で可視化されると良いと思います。“農・食の問題の素人”がいきなりネオニコチノイドの問題を考える難しさはかなり感じました...、

テーマ別などで、継続的に意見や情報を交換できる枠組があるといいと思います。facebookのホームページはそのように使えるのでしょうか?

● 感想+今後に向けたご意見

登壇者だけでなく、「現場」の生の声が聞けたのが最大の収穫でした。みんな、それぞれ、様々な立場、段階で関心がある問題であるにもかかわらずなかなか広がらないのはなぜだろうか?もっと、根本的な問題を見落としていないだろうか?(生産者も消費者も)誰も農薬などは使いたくないというのに大量に使われているのは誰か別に「使わせたい」人がいるはず。本来の命の循環を壊している最大要因(真犯人)は・・・。構造を支配している政治力、資本力を追求すべきではないだろうか。消費者が反省し、変わることも必要ですが、きっと次元の違うより大きなポイントがあるのだと思います。


■ 開催情報
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アドボカシーカフェ「ねねね、ネオニコチノイドってなあに?
ー新農薬ネオニコチノイドについて“未来に向けたみんなの意見”づくり大公開ー」開催

一般社団法人act beyond trustと国際環境NGO A SEED JAPAN
NPOまちぽっとの三者共催で
「ねねね、ネオニコチノイドってなあに?
―新農薬ネオニコチノイドについて“未来に向けたみんなの意見”づくり大公開―」
と題して、全4回シリーズのアドボカシーカフェを開催いたします。

日時:3月17日(土)13:30~17:30
場所:新宿区歌舞伎町2-19-13 ASKビル4F(地図 http://ht.ly/5Ahy2)(定員30人)
資料代:500円
チラシはこちら
http://machi-pot.org/modules/project/uploads/flyer_neonico.pdf

今の日本社会では、震災復興と原子力発電所事故に関心が集中しています。
もちろんこのことは当然のことですが、10年・20年後の社会を考えると、
他にも沢山対処していかなければならない問題があります。

その中でも今回の企画は「ネオニコチノイド系農薬」の問題について扱います。
長年、弊害が指摘された有機リン系農薬に替わって登場したものの、
ミツバチの大量死をはじめ生物多様性と人間への悪影響が報告され、
皮肉にも健康志向の減農薬農産物や緑茶の愛用がリスクになっている等の
社会的問題は、まだ一般にほとんど知られていません。

そこで、この問題について多くの人に知ってもらうとともに、
私たち普通の市民はどのように考え、未来に向けてどのように対処すべきなのか、
多面的な視点から考え議論をする「アドボカシーカフェ」を開催します。
今回の企画を単なる勉強会にするのではなく、社会的な広がりを持ったものにする中で、
自分たちの未来を自分たちで選択していく一つの行動指針をつくり上げたいと考えています。

第1回 「ミツバチからのメッセージ」
ネオニコチノイド系農薬の特徴(神経毒、浸透性、残存性)により、標的とする“害虫”だけでなくミツバチをはじめ多くの昆虫や鳥たちに悪影響をおよぼしていることを養蜂の現場の声を聞きます。一方、ネオニコチノイドを使えないと困る農業生産現場の声を聞くことで、異なる2つの現場の視点から問題を考えていきたいと思います。

主催:
認定NPO 法人まちぽっと,
国際環境NGO A SEED JAPAN,
一般社団法人 act beyond trust

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